VOICE

担当が営業から制作まで
全てを見る安心感と、
制作では「人物」の魅力の
引き出し方に特徴を感じます。

エム・アール・アイ
リサーチアソシエイツ株式会社様
(略称MRA)

人事部長 本領光司様(※)との対談

※2019年10月より、三菱総研DCS株式会社 人事部 担当部長

History

現在、採用Webサイトの制作を担当。 本領様とは、以前在籍されていた三菱総合研究所の頃からのお付き合いで、制作物のみならず人材論など様々なお話をしていただいております。

織田

本領さんとは、2013年に三菱総合研究所(以後、三菱総研)にお伺いして以来のお付き合いですから、随分長くなりました。

本領

当時、私が三菱総研の採用担当部長だったころからです。

共同企画を選んだ理由

織田

ところで、当社をお選びいただいた理由は何だったのでしょうか?
最初はコンペで、書籍タイプの入社案内をご提案して採用していただきました。

本領

そうですね、先ずは担当者がどういった人かは重要だと思います。 業界や採用問題について最低限の知見がなかったりすると「どうなの?」と思います。 逆に、踏み込んだ提案もそうですが、「なるほど」と思う話によってコミュニケーションができると、その会社とのお付き合いが深くなっていきます。

共同企画さんの場合は、特に大手メーカーがお客さんに多いこともあるのか、理工系採用に関する知見やアドバイスが多く、とても参考になっています。 また織田さんは長く話をするので(笑)、「用がないのだったらまた今度」となるのが普通ですが、毎回示唆をいただけることが多く、お付き合いを決めた一番の理由でしょうか。

織田

ありがとうございます。 長話は気を付けねばいけませんね(笑)。 要は、提案内容もさることながら、担当者の平素の資質が見られているところは大きいのですね。

本領

大事なのは、実際にフェイス・トゥ・フェイスで話をする担当が、当社のことをどこまで分かっているのか、考えていただいているのかです。

織田

私の場合、企業の採用課題を伺うだけでなく、実際に大学に足を運び研究室などの現場がどうなっているかを見たり話を聞いたりしながら、私なりに考えているのですが、ああいった現場の話というのはご参考になりますか?

本領

採用戦略を考える上で、大いに参考にしています。 たまたまかもしれませんが、三菱総研の採用ターゲットは理系マスターというところも大きかったと思います。 とてもフィット感がありました。

制作物の特徴

織田

次の質問ですが、貴社が情報ツールを通して、特に表現したかったことや主張したかったことは何でしょうか?

本領

当社MRAの応募者は、業界とか業務についてきちんとした理解をベースに、コンサルティング、シンクタンクという言葉に惹かれてくる人が多くなっています。 そういう意味で、共同企画さんの提案する「深い内容を表現する」という主張と、方向性が合っていると思います。
もう一つは、御社の一番得意とされるところかと思うのですが、人物の魅力の引き出し方がうまいというか、言い方を換えれば浪花節的なところです(笑)。 他企業の採用サイトを見ていても、これは共同企画さんが作ったんじゃないかとわかることがあります。

織田

本当ですか? まずいなあ(笑)。

本領

三菱総研で、共同企画さんと書籍を作った時もそうでしたが、やはりシンクタンクは「人」が資本の会社で、人の魅力が大切です。 それはMRAといった子会社に来て、より強く思うようになりました。 ネームバリューで採れるわけでもなく、それほど人数を採るわけでもない。 やはり、理念に共感して、仕事内容を理解し、入社後にはきちんと自分の研究テーマに取り組むという学生が、採用人数だけ集まってくれればいいわけです。 決して万人受けするコンテンツとは言えませんが、採用戦略上いいポジションにあるというか、いいところを狙って突いていると思います。

織田

ご指摘のように、「人」という部分はとても重要だと思っています。 ただ、気を付けなければいけないのは、あまり情緒的になるとミスマッチにつながります。 あくまでリアリズムをベースに、「誠実に伝える」ということを意識しています。
ところで本領さんは、応募者は御社のどういうところに注目している印象をお持ちですか?

本領

やはり自分が成長したいという意欲のある学生が多いですね。 大学で研究してきたことを生かしたいとか、とにかく自分の成長という視点で見ています。 ただ、成長自体が目的なのかというとそうではなくて、たとえば自分を育ててくれた社会に恩返ししたいとか、真面目な考え方や意識を持った人が選考の中で残っていきます。

織田

「青雲の志」のようなものなのでしょうか。

本領

当然、株式会社なので、そればかり強くても困るんですが、別に日本一給料の高い会社を目指しているわけでもないし、何をやる会社なのかというところはぶれずに伝えていきたいと思います。 そして、それに共感してくれる人が来てくれればいいですね。

企画について

織田

では、当社のプロジェクトの制作進行をご覧になっての感想はいかがでしょうか?

本領

原稿は結構いいレベルで書いてくれますよね。 あとは、それなりに無理も聞いていただいています。

織田

私は無理をしている感じはないんですが…。確かに校正では、御社がシンクタンクのせいか皆さんしつこいなあ (笑)と、その程度の感じです。

本領

それから企画面でいうと、こちらが何らかの要望を出すと、大半の会社は「わかりました」となりますが、御社の場合は違うことが多い。 「ここはこういうコンセプトだから、これでいいんです」とか、そういう返しがあります。 それだけきちんと考えて作っていただいているのだと思います。
あと工程面での最後のやり取りでいうと、「できないものはできないですよ」と冷たく言われる会社もあります。 御社は「大変なんですよ」と念押しされながらも、やっていただいています。

織田

それは私の後ろにいる協力会社の方々のお陰ということもあります。 それを言うなら、MRAさんのご担当者様が、本当に熱心にご協力していただいており、そのお陰が大きいと思います。
ところで、制作物を実際に使用して、具体的な効果・反響はありますか?

本領

入社案内は、以前は無いに等しい状況だったので、きちんとした物ができたことでとても役立っていますし、社員も喜んでいます。 ホームページの方は、お陰様でアクセス数がかなり上がりました。 3月は去年の10倍くらいいきました。

織田

それは嬉しいコメントです。 以前、貴社の採用HPのログ解析結果をお伺いしたときに、平均的なページ滞在時間が3分を超えていると聞き、その長さに大変驚きました。

本領

まあ、結構ボリュームありますからね。

織田

確かに。 各コンテンツはいずれも5000字を超える長文で構成していますから。 それでも各社のログ解析をお伺いすると、平均的なページ滞在時間は1分台はありますが、3分は明らかに長い印象です。 よく読まれているのではないでしょうか。
たとえば学生と話していて、「読まれているな」と感じることはありますか?

本領

業界や業務に対する理解度が低いと、面接官の評価も低くなるんですが、その理解度が上がっている印象を受けます。 会社のこともそうですし、採用HPで特に強化したプロジェクトについても。 これまでプロジェクトといっても、学生は何のことかわからなかった。 それがイメージレベルでしょうけど、何のことかを掴んでいる印象がします。

織田

採用HPでは、MRAさんらしいコンテンツとして「ドクター座談会」を作りましたが、いかがでしたか?

本領

以前、三菱総研で採用を担当したときに、応募は学部文系が7割から8割。 ところが実際に採用すると、内定者は理系マスターが8割という世界でした。 思い切って、応募資格をマスター以上に限定(※)したところ、「それだけ専門性がないと、三菱総研は採らないらしい」みたいな形でブランドが浸透したのでしょう。 マスタークラスの優秀な学生がこぞって応募してくれるようになりました。 お金をかければ良い、というものでもないわけです。

今同じように、MRAとしては、「ドクターを積極的に採用しており、ドクターが活躍していますよ」という情報を前面に打ち出すのは良い戦略ですし、「ドクター座談会」は的を射たコンテンツだと思います。

※1990年代、学生の資料請求ハガキに対し、人事部が労働集約的に対応せざるを得なかった頃の話です。 現在は学部生も積極的に採用しています。

織田

意外と民間企業ではドクターの採用が進んでおらず、私は企業の理工系採用は、もっとドクター採用にチャレンジすべしと、以前から思っていました。

本領

アカデミアも就職状況が厳しいじゃないですか。 今年の新入社員に採用活動をどう改善したらいいかという提案をさせたら、ドクター3人が「ドクターをどう攻めるか」を提案してきました。 それをやったら面白いかもしれないですね。

織田

私は大手メーカーの担当と、ドクター採用の話をよくします。 マスターといっても就職活動段階では、研究期間はせいぜい1年半。 その程度でどれほどの専門性があるの、みたいな話も出ます。 企業が評価するのは、専門性もさることながら、考え方や取り組み姿勢、うまくいかない場合の対応法などを見ている印象です。 ドクターで培われた知見や経験は、企業の仕事ととてもマッチングが高いと思います。

本領

私たちの業界的にというか、業務手順とか前例とか、そういうものがないテーマが非常に多く、先輩も今まで経験がない課題に、チームで頭をひねって取り組みます。 若手もベテランもないわけです。 そのあたりが、言っちゃ悪いけど今の学部生は、ハウ・ツー漬けが多い。 いかに効率的にそういったことを当てはめて解くかというようなことに長けていても、フレームそのものを頭をひねって考え出すということは、あまり経験がない。 少なくとも、そういう取り組むスタンスがないと話にならない。 ドクターはそれなりに悩んで今まで来ているわけで、当社の採用ターゲットとして、とても向いていると考えています。

共同企画の良さ

織田

またしつこい質問で恐縮ですが、共同企画ならでは魅力についてはいかがでしょうか? 自分のことは、紺屋の白袴で結構わからないんですよ。

本領

御社の場合、担当が営業から制作まで全てを負っていますから、わかりやすくもあり、全部責任を取るんだよねという安心感があります。 そこはアピールしていただいていいかなと思いますよ。 あとは、取材でも原稿でも、人物にフォーカスをして掘り下げて引き出すところが、共同企画カラーみたいな気がしています。
インターンシップ経由で人が採れたりしていますが、実際に来てみて机を並べて1週間やれば、当社の魅力みたいな部分はかなり伝わります。 それは風土であり、人の魅力だと思います。 そういった良い循環の中で、人材採用を強化していきたいと考えています。 そんな当社のコンセプトと御社の得意な部分が、ある程度かぶっているのかと思います。

織田

それは具体的にご提供しているツールのどんなところにお感じになりますか?

本領

最初に一番感じたのは、三菱総研で作った書籍でした。

織田

今でも覚えていますが、当時の人事部長様から、「こんな個人情報の塊みたいなものを出していいのか」と言われました(笑)。

本領

そうそう。 ここまで書くのかと言われましたね(笑)。

織田

私はあの時、取材させていただいた何人かの話に、涙が出そうになったことがあります。 一番は、「昔、そうであったように、父親となったご自身が息子と釣りにいく」話です。 あの話は取材を続ける最後に出てきたのですが、本当にいい話だと思いました。 応募者がそんなところに共感してもらっても困るのかもしれないのですが、私はそうは思わなかった。 「その人となり」は、単に仕事ができるということではなく、この方のプロジェクトの回し方はきっと人間味があり、プロジェクト・マネージャーとして魅力的な人物に違いないと、想像させたのです。

本領

いやいや、その通りですよ。 彼は部下の信頼も厚いです。 コンテンツにも多く書かれていましたが、家庭人としての顔とか、仕事との棲み分けとか、今の学生はそういうことをとても気にしますよね。 そういう意味で、いろいろな角度からその人物を浮かび上がらせる仕掛けなんだと思います。 これは好き嫌いがあるかもしれませんが、私は好きです。

共同企画への要望

織田

逆に当社への課題というか注文というか、あるいは、期待していることなどはいかがでしょうか?

本領

最初は、紙系には強いけど、デジタルはどうなのという感じでしたが、最近はデジタルにもかなり力を入れてキャッチアップされてきたみたいですね。

織田

いやいや、以前からデジタルも結構強いのですが(笑)。

本領

ユーザーサイドから言うと、御社にメンテナンスフリーみたいな感じで、タイムリーに情報をアップロードできるような仕掛けがあるとありがたいと思っています。 実際、採用担当者レベルでは、一定のテンプレートで書いて伝えたりとか、そんな仕組みもあるわけです。

織田

それはHPなら、HTMLではなくCMSで制作すれば可能です。

本領

逆に、お伺いしたいですが、御社はコンテンツビジネスの会社ですが、どこかと組んで応募者の管理とかスクリーニングとか、バックヤード側でデータ判断するような仕掛けだとかを組み合わせて提供するというようなアイデアはないんですか?

織田

確かにひとつのアイデアですよね。 ただ現状ではうちはこの少人数ですから、今は、強みに経営資源を集中投入して磨きあげることを考えています。 本領さんがおっしゃっている意図は、「あちらこちらに頼むより、まとめてやってくれた方が便利」ということなのかと。

本領

やはり、どう母集団を形成するかという部分と、形成した母集団をどう運用していくかというところが、今は完全に分かれています。 それってやはり、母集団形成の方は、もうテンプレートなわけじゃないですか。 そこに強みがあって、集めるところがもっと魅力的だったら、もっと嬉しいわけですよ。 独自にはできないというのはわかりますが、うまくアライアンスを組めないのかなと思います。

織田

おっしゃることはわかります。 なかなか良い回答をご提示できなくて恐縮です。

本領

ちょっと真剣に深く考えてみてくださいよ。

織田

「はい」と、即答はできませんが…(笑)。
本日はとても有意義な時間をありがとうございました。課題のご指摘を含め、背中を強く押された感じが致しました。 これからもどうぞ宜しくお願い致します。

(最後に)

本領さんとは5年を超すお付き合いになりました。 ゆるい仕事をしていると的確に突いてこられるので、常に緊張感を持ちながら仕事をしています。
スーツのパンツをサスペンダーでイキに決め、スガシカオのファンだったりと、仕事もオフもとても人間的な魅力を感じています。 これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

本領光司
Koji Honryo

エム・アール・アイ
リサーチアソシエイツ株式会社
人事部長(※)

※2019年10月より、三菱総研DCS株式会社 人事部 担当部長

1986年、大手百貨店に入社後、人事部に配属。
1990年、三菱総合研究所(MRI)に入社。
採用担当部長を経て、2017年、グループ会社のMRA人事部長に就任。

※本内容は、MRA在職中の2019年5月、取材時のものです。